地図を遊ぶ。線を旅する。
あいかうたう / 1991年、東京都生まれ。切り絵地図作家。2017年より活動を開始。2018年パリのSalon Art Shopping Paris出展、2024年松本市美術館個展「切り絵の地図展」(日本地図学会 「瀬戸玲子基金・女性のための地図振興支援助成事業」)開催。現在、日本地図学会評議員。
地図は今、スマートフォンの画面に収まり、いつでもすぐに呼び出せる存在になりました。でも、そんな時代だからこそ、地図をじっくり「味わう」時間を持つことに、あらためて価値があると感じています。
カッターの刃を紙の上にすべらせ、地図の線をひとつずつ丁寧にたどる。最短ルートにはこだわらず、寄り道しながら進むその行為は、小さな冒険であり、身近な面白さを拾い集める時間です。
私にとって地図は、旅の道具であると同時に、見慣れた風景を新しく出会い直すための感覚の装置でもあります。地図を通して、場所のリズムや暮らしの痕跡を感じ取り、それを線として紙に刻んでいく。そうした営みは、地図を見ることの「原体験」に立ち返るような感覚です。切り出された線は、単に情報ではなく、感じる風景へと変わります。
作品の前で「ここ、知ってる!」という声が上がるとき、その風景は誰かの記憶と重なり、小さな共鳴が生まれます。その瞬間こそが、私の創作を支える原動力です。
愛媛県西条市, 2019
フランス パリ, 2017
イタリア, 2018
アメリカ合衆国, 2018
東京都中野区, 2018
東京都港区, 2018
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